最近読んでる本

今日もシンセ日記を書こうとした(曲を作ろうとした)のですが、
やっぱり難しいことが発覚、断念。
でもわかったことがあって、
「いきなり難しい曲を作るな」ということです。
たとえば、人間の声だけで曲を作ろうとしたり、
物音だけで曲を作ろうとしたり。
そういうのは、できたら楽しいこと間違いないですが、
その前に、ふつーの曲を作っておかないと、
まず曲としての体をなさないなあと思いました。

今日は、最近読んでいる本の話でも。ふつうに。

最近は、人間観や社会観が大きく変わる本によく出会います。
「あ、これってそういうことだったのか!」とか「え、それってそうだったの!」とか。

4冊あげると、
『オデッセウスの鎖』 『資本主義が嫌いな人のための経済学』
『誘惑される意志』 『二十一世紀の資本主義論』
です。
この4冊はどれを読んでもおもしろい。
読みやすいかどうかは別ですが、おもしろかった。

今読んでいるのが『資本主義が嫌いな人のための経済学』で、
これは意外にも、経済学者が書いた本ではありません。
哲学者が書いた本です。カナダ人の。
でも、だからといって、そこで展開されている議論はあなどれないし、
むしろこういうものの考え方は哲学者だからできることなんだな、と思います。

いうてまだ半分ぐらいしか読めていないのですが、
この本の大きなテーマのひとつに「連鎖反応」があると思います。
ある集団が損しているように見えるが、実はそれは貨幣の移動経路が違うだけで、
実質的には損も得もしていないのだ、とか、
アジアの安い労働力は先進国の敵ではない、とか。
全体として見ると「あ、なるほど」といえるようなエピソードが詰まってます。

自分なりにこれを要約すると、
「われわれは、自分が思うよりはるかに大きな影響力を持っている」
ということだと思います。
ただ、この場合の影響力とは、「意のままに動かす力」ではなく、
「行動に変化を起こさせる力」のことです。
「自分(または、ある特定の集団)だけが得する状況」ってのはなかなか作れなくて、
たちまちそこに他人が参入してくるのが実際の世の中なのかな、と。

これ以外にももっといろいろ面白いことは書いてあるんですけどね。
「集まって住むことのリスク分散と、収入の不安定性の関係」とか。
「モラルハザードはあらゆる種類の集団的行為につきまとう」とか。
割と読みやすい本だと思うので、ぜひ読んでみてください。
経済以外のこともよくわかります。社会をつかむのによい一冊。

『オデッセウスの鎖』と『誘惑される意志』は、
割と内容的には似ていて、どちらも行動心理学です。
どちらも副題が非常にキャッチーで、
『オデッセウスの鎖』のほうは「適応プログラムとしての感情」
『誘惑される意志』は「人はなぜ自滅的行動をとるのか」です。

『オデッセウスの鎖』は、ひとことでいうならば、
「なぜ道徳や感情が存在し、それはどう役に立っているのか」ということを
あつかった一冊。本当はひとことでは言えないんですが。

いわゆる「経済的合理人」、つまり、自分の利得の最大化だけを
目的として動くような人物の方が、そうでない人よりうまくやれる、
「とは限らない」ということを証明せんとして書かれた一冊だと思います。

普通、こういった種の議論は精神論的になりがちで、
「あなたが他の人にいいことをすれば、まわりまわっていつか、
 他の人があなたにいいことをしてくれる」みたいな、
根拠があやふやなままで結論づけられがちです。
それこそがまさに、道徳の特徴なわけですが。

けど、この本はかなり科学的な見地から、
道徳や感情というよくわからないものにも、
実は人間を助ける仕組みがそなわっている、ということを、
ちゃんと論じた数少ない本だと思います。
本当に数少ないかどうかはわからないけど。

『誘惑される意志』は、この本の内容は割と一言で表せます。

「人間は遠くの報酬を極端に割り引いてしまう」

これだけです。基本的にはこのテーマがずっと繰り返される話。
遠くのダイエットより、目の前のステーキ。
わかっちゃいるけど、やめられない。
そういうテーマを、これまた科学的に論じ続けた本です。少し読みづらい。

私もこの本をあまり理解できていませんが、
「とにかく人間とはそういう性質が備わっているものらしい」
ということはいやというほどわかりました。
そして、この一冊さえあれば、
おそらくほとんどのビジネス書は不要になります。
「意志の力」だの「計画性」だの、「やる気」だの、
そしてそれらがしばしば役に立たないこと、
そういったことはみんなこの本に書いてある。

最後に、『二十一世紀の資本主義論』。
岩井克人さんという経済学者が書いた本です。

「貨幣は『他の人がそれを貨幣として扱う』がゆえに貨幣である」
ということが、この本から得た一番大きな影響です。
それは、たとえば犬や机が
「他の人が「犬」(または机)と扱うから「犬」なのである」というのとは
まったく別の問題で、
貨幣というのは、「他の人が貨幣として扱うから貨幣」
というところだけが本質。
ほかに、物質的根拠とかは一切ない。

そこがなんというか、衝撃でしたね。
すべての人が「ほかの人がそうしてるからそうする」という状態。
これはしばしば人間社会によく見られることですが、
そういった不安定なもののうえに貨幣は成り立っているんだ、
ということが、なんというか面白くてしょうがなかった。

他にも豊富なエピソード(江戸時代の貨幣経済、貨幣を描く芸術家)が
載っていて、単に雑学的読み物としてもおもしろい一冊。

以上4冊が、ここ最近読んだ中でおもしろかったものですね。
私は本を全部図書館から借りて読む人なのですが、
上4冊は、割と一生手元に置いておきたいと思う本です。時々読み返したい。
ではでは。

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