モニタリングヘッドホンから考える客観性

最近、趣味で音楽制作をはじめまして、
これまでに4曲ほど作ってみています。

といっても作りこむタイプではないので(というかその技術がない)、
基本的に録音しながら作っていくという感じです。
ベースとなるリズムをまずある程度の尺で録音して、
つぎにその上にメロディーとなるリズムをかぶせていく。
もうちょっと装飾が欲しいと思ったらそういうのも足す。
どういうメロディーにするか、ベースにするか、というのは、
完全にノリで決めています。

もっとちゃんと作りこめるようになれば、
できることの幅が増えるような気もするんですが、
今はそういう段階ではないです。
とりあえず何回もいろいろ作ってみて、
「曲づくり」の流れを覚えてしまおうという段階です。

で、この「曲づくり」の流れが、けっこう難しい。
私の音楽能力どうこう以前の段階で、
まず録音と編集がとても難しい。

僕はあんまり音楽リスナーとしては熱心な方ではないので、
オーディオデバイスによる音の違いとかを気にしたことはありませんでした。
というか、パソコンと接続してるオーディオテクニカのスピーカーでしか
ほとんど音楽を聞いていないので、
スピーカーによる聴こえ方とかを意識したことはほとんどありません。
そらハイエンドなスピーカーを聴くと音はいいですけどね。
まあでも低音が強い音楽はちゃんと低音が出るもんだろうと思っていた。

つまり、「音源を忠実に再生する」のがスピーカーだと思っていたので、
音源がいい音源かどうかが勝負なのではないか、と。

ところが、よく調べてみると、
たいていのスピーカーには何かしら味付けがなされており、
それぞれ微妙に音を変えている、らしい。

というわけで、音楽制作をする人は、
「モニターヘッドホン」というのと「モニタースピーカー」というのを
買わないといけないらしい。

これはどういうスピーカーかというと、
「フラット」で「解像度が高い」スピーカーのことらしい。
フラットというのは、要するに音にそういう味付けがなされていないこと。
音源に忠実に再生してくれるということ。
解像度が高いというのは、音がはっきりと聴こえるというか、
どこで何が鳴っているのか聴きとりやすいということですね。

で、そういうものに合わせて音源を制作していくと、
再生環境にそこまで左右されない音源が出来上がるという。
フラットですから。
たとえば低音が強めのスピーカーに合わせて音を作ると、
低音がふつうのスピーカーで再生したときに何か重みが足りない、
ということになるかもしれませんが、モニタースピーカーならそうはならない。
モニターヘッドホンもしかり。

なるほど。これは1台持っておこう。

そう思ってこの前ひさしぶりに高い買い物をしました。
ソニーのMDR-CD900STという、音楽業界標準のヘッドホン。
いうて15800円ぐらいなので、一般人にも手が出せる価格。
学生には少々でかい出費ですが。

で、これで音を聞くと、たしかに超音がいい。
しかもはっきり聴こえる。どこで誰が演奏してるのか聴こえるし、
今まで聴いてた曲を聞くと
「え、ここでこんな音が鳴ってたのか!」と気づくこともある。

なるほど、これはよかばいよかばいと思って、
これを使って音源制作をしてみます。

中略。

できたー!
と思ってヘッドホンで聴いてみると、
これがもう最高のバランスで鳴っているわけ。
ちゃんと音を左に振れば左で鳴っているし、
どこで何が鳴っているのかわかりやすい。低音もばっちり。
これなら世に出しても恥ずかしくない音源だわ、
と思って、wavファイルとして書き出し、
ぽちっとなという感じでSoundcloudにあげてみる。
自宅で普段使ってるスピーカーで聴いてみる。

「ぜんぜん違う!!」

あの音の色気はどこへやら。
出てきたのはなんだか音が小さくてしかも低音がよく聞こえない、
いかにもシロウトが録りましたという音質。

なぜこんなに違うのか。

そしてモニターヘッドホンの意義とは!?

これが業界標準のモニターヘッドホンらしいので、
モニターヘッドホンが悪いということは考えにくい。

となると、なぜヘッドホンでは最高の音だったのに、
スピーカーでは最悪の音になってしまうのか。

そして、音質って再生デバイスによってこんなに違うのか。

モニターヘッドホンじゃなくて、ふつうのイヤホンで聴いてみると、
けっこう思ってた音と近い音で再生される。
けど、スピーカーで再生するとぜんぜん違う。

イヤホン・ヘッドホンとスピーカーではこんなに音が違うのか!
と愕然としましたね。

でも、プロが作ったちゃんとした音源を聞くと、
スピーカーとイヤホンでそんなに音が変わらない。

あ~、これがプロと素人の差なのかぁ~、と愕然とする思いでした。

結論としては、「ミキシングはスピーカーでモニターした方がいい」
ということになるのかもしれません。
まあもっと正確に言えば、スピーカーとヘッドホン両方でモニターしましょう、
ということになるのでしょうが。

にしても、今回の1件を通して考えたのは、
「ふだん聴いてる音楽もけっこうこだわって作られとるんやのう」
ということと、
「アコースティックとかライブの簡単さよ!」
ということと
「客観性とはなんだろう」
ということです。

モニターヘッドホンで聴いた音とスピーカーの音の違いには
ほんま驚きましたね。
中道派だと思ってた人が実はバリバリの右翼だったみたいな。
そんな感じの驚き方をしました。

結果、1台のヘッドホンなり1台のスピーカーが完全に客観的ということは
ありえなくて(たとえソニーのMDR-CD900STであっても)、
いろんなヘッドホンなりスピーカーで聴いて
「よし!だいたい同じ音!」というように聴こえるときこそが、
真の客観性を獲得したときなのかしらねえ、とか思う。

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