政治の語りづらさについて

政治って語りづらいなあと先日超思ったんですが、
その語りづらさの原因についてちょっととりとめもなく考えてみたい。

1.敵をつくる可能性
2.俺たちに語る資格はあるのか
3.その情報は本当か
4.政治について語ることのカッコ悪さについて

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1.敵をつくる可能性

政治って本来パブリックなものなんですが、
むしろパブリックな場では最も語りづらいものになっていて、
芸能人とかアナウンサーって、
けっして何党を支持しますとか言ってはいけない。
政治について「僕は何党がいいと思う」ということが
言えるのは、もっとプライベートな場であって、
たとえば友達との会話であるとか、
あるいはちょっとしたセミナー会場とかである。
SNS上ではちょっと言いづらい。

これがなんでなんだろうと考えてみた時に、
やっぱりそのデンジャラス性ですね、
その、「俺がこのセリフを発することで
この中にいるある種の人々を敵にまわしてしまうのではないか」
という感じが、とくにパブリックな場では、あります。

たとえば自分がtwitterでつぶやいたことって、
「とにかく基本的人権の廃止はヤバい」
「投票にはなるべく行ったほうがいい」ということだけで、
原発ですとかTPPとかにはまるで触れていません。
それはたぶん「もっとも同意を得やすいテーマ」だからです。
意見の割れることに関して話してしまうと、
それはたぶん何らかの敵を作りかねないし、
そういうリスクを侵してまで政治を話すほど
政治に関心があるわけではない、というのが、その理由。

そもそも僕がtwitterで少々つぶやいたところで、
政治が変わるわけではありませんし。
そこまでしなくてもなあ、という。
とても消極的ですが非常にリアルな理由。

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2.俺たちに語る資格はあるのか

さっきあげた理由とつながってくるんですが、
「そこまでして俺らは政治を語る必要があるのか」
という感覚のベースには、
「そもそも俺らは政治をよくわかっていないのではないか」
という事情があります。

政治は、ぶっちゃけ、複雑すぎて、よくわからない。
誰が正義で誰が悪者なのか(という二分法はきわめて頭が悪いのですが)
もわからない。
どこがどういう政策を掲げているのかわからない。

そんな「わけのわからないもの」について語ることが、
果たしてできるのだろうか?
仮に語ったとして、その言説はどこまで意味があるのか?
医者が健康について語るのはたしかに傾聴すべきだが、
素人健康法はかえって健康を害するのではないか?

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3.その情報は本当か

「わからないなら調べればいいじゃない」というのは
たしかに一理あるのですが、そうすると問題は、
「そうやって出てきた情報はどこまで信じればよいのか」
というところにあります。

つまり、たとえば「民主党はこんなひどい政策をやろうとしている!」
という主張とその根拠となる情報があったとして、
そもそもそれはアンチ民主党の人が書いた情報なのではないか?
ということ。つまりめちゃめちゃ偏っているのではないか。

それがとくに顕著にあらわれるのが、
韓国・中国の話題と原発関係の話題で、
このふたつに関してはもうわけがわからないことになっている。
ネットを見ているとザクザク在日批判が出てくるのですが、
でも韓国人・中国人ってそんな悪い人ばっかりかい?という思いもあって。
原発に関しても、
『原発の不都合な真実』と『反原発の不都合な真実』があって。
いやこれはもうよくわからんですたい、
とサジを投げたくなります。とても。

そこでサジを投げないレベルまで調べぬくほどには、
政治に関心があるわけではないというか、
そんなにリソースを割きたくない、というのが、
またしても消極的ですが、実際の事情ですかねえ。
いうて一票なわけですし。されど一票ですが。

そしてまあ、調べぬいたところで結局
「うむ、よくわからん」ということになりそうな気はしている。

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4.政治について語ることのカッコ悪さについて

「政治について語ることのカッコ悪さについて」
と書きましたが、厳密にいうと、
「政治について熱く語りすぎる人がしばしば
非常にカッコ悪く見えてしまうことの問題について」
です。

なんだろう、知り合いに政治に熱い人もいるので、
非常に書きづらいテーマではあるんですが、
(これがまさに1番目の「語りづらさ」にあたる)
まあ言わないのもなんかスッキリしないので書こうと思います。

あ、そうか、最初に言い訳をしておくと、
「政治について語ることそのものがカッコ悪い」
という主張ではないです。当たり前です。

ただ、「政治について語ることは度を過ぎるとカッコ悪くなる」
ということについて書こうとしています。
そこを間違えないでほしい。

それはなんというか、
「お金の話をまったくしないのもアレだが、
度をすぎるとただの守銭奴である」
「性の話をまったくしないのもカマトトだが、
度をすぎるとただの変態野郎である」
ということに似ています。

具体例に即して書きますと、
たとえば大学の学内で政治運動をやっている人が、
しばしば京都にはいらっしゃるのですが、
で、非常に熱のこもった口調で拡声器で喋っていたりするのですが、
僕が彼らを見ていつも思うのは、
「で、それはいかほどの意味があるねん」
ということです。

そもそも大学生ってまだ20歳になってない人も
割といるわけですし(とりわけ吉田南には)、
彼らが具体的に政治について何かできることはあまりない。
いや、「10代のネット疑似選挙」Teens Opinionを作ったのは17歳の人なんで、
実際にはいろいろできるんですけどね。デモに行くとかもあるし。

では、彼ら、もしくは20歳以上の学生が何かやることを
仮定したとしても、
政治にそのようなエネルギーを向けさせるほど、
その人々の言っていることは説得的なのだろうか、ということです。

マジで説得しようとするならもうちょっと別のやり方があるんじゃないか。
でもなぜ彼らのスタイルは70年代のままで止まっているのか。
その時代には確かにインパクトの大きい手法だったかもしれないが、
現代でその手法は意味があるのだろうか。電通を呼べ電通を。
THA BLUE HERBを聴いてくれ。

あと、ある種のデモに関しても、「で、それはどういう意味があんねん」
という風に感じざるをえないことは、あります。
何かこう、世の中の人に訴えかける力をもったデモは、
いいと思うんですよ。どんどんやった方がいい。
でも、デモでもやったら楽しいかも、ぐらいのデモでは、
デモス(民衆)を動かすことはできないというか、
なんというか「デモとかやっちゃう人々」=「我々とは違う人種」という目で
見られてしまうのではないかと。
それはむしろ自分たちの主張と逆方向に世の中を動かすことに
なるのではないかと。そういう気はします。

あるいはまあ、僕がそもそも
「デモの目的=世の中に訴えること」という風にとらえているのが
間違いなのかもしれませんが、
でもデモって「demonstration=見せること、証明すること」の略ですから、
やっぱりどう見られるかということについては
もうちょっとやり方を変えてもいいのでは、と思ったりします。

政治について熱く語りすぎることは、
そういうふうにして、自分が異物化してしまう、という危険もありますし、
あと「あんまりにも熱すぎる人は冷静でない可能性が高い」
という推測から、「この人の話は話半分に聞こう」と思われて
結果説得に成功しない、というのもあります。

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という風に政治の語りづらさについていろいろ考えたんですが、
でも正直なところをいうと、ここ2週間ぐらいは、
「思ったよりみんな政治の話するなあ」
という風に思うことの方が多かったです。

なのでまあこの文章自体がとんでもない虚構の可能性があるんですが、
少なくとも自分がにとっては政治は語りづらいです。

あとまあ、この話題自体はなにも政治特有の話じゃなくて、
あるテーマについて語りづらさを感じている場合には、
だいたいどれか(もしくは全部)が当てはまります。
4番目の理由は多少政治特有の理由でしたが、
1〜3まではけっこうどのテーマでも感じることなので。

最後に突然権威を持ち出しますけど、
ミシェル・フーコーも『言語表現の秩序』という本で
言説がいかに規制されいかに生成されるか、という話を
しているそうなので、そちらも読んでみたいと思います。

なんか今の時代にフーコーはかなりマッチしてるんじゃないかという気はします。
今ちょっと読み始めているんですが、
「権力とは抑圧すると同時に生産的なものでもある」
という主張がだいぶおもしろいです。

「パノプティコン」もだいぶおもしろい概念ですが、
それ以外にもけっこう掘り出しものがありそうです。

ではでは。

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