ヴィトゲンシュタインとテストボーイ

学歴が高いってことは、
たぶんプラスにもなればマイナスにもなると思うんです。

プラスの面としては、まず単純にいろいろ有利ということ。
期待値が高いってこと。
逆にいうと、その期待値を超えられないと評価が下がるのがマイナス面。

また、単に大学名を言うだけでも、
「おい〜優秀じゃねえか〜」と、
謎の冷やかしを受けるというのがあります。
これが非常にもどかしい。

いや、確かに学歴的には優秀なんだけども、
じゃあ人間として優秀か、本当の意味で頭がいいのかといったらそんなことはないわけで、
そこについては否定したい、
というのがあるわけよ。ね。
いや、むこうが、そんな意味まで込めて言ってるわけではないと思うんですが、
でもそういう言われ方をすることに一抹の気恥ずかしさもしくはプレッシャーがある。
「へ〜、テスト得意だったんだね〜」ならいい。
それはそれで少しイヤではあるけど。

ただ、もっとマイナスな面というのがあるんじゃねえか、
という風に最近思っておりまして、
何かというと、それは思考パターンの形成ですね。

で、この、「学歴上昇に適応してしまった思考パターン」ってのが、
思いのほか社会で使えねえというか、
むしろ社会に出て生きづらいんじゃねえか、と思っているわけであります。
このことについてちょっと書かせていただきたい。

ーーーーーーーーーーーー

テストで点を取る鉄則として言われるのが、
「とりあえずわかる問題から解いていけ、
わからない問題は後回しにせよ」というものです。

で、これがね、テストっていう限定された世界だと非常に正しいんですが、
トータルのバランスのよさを考えると、
ものすごくよろしくない。頭が悪い。

たとえばですね。

僕にとって「わかりようがねえと思っているもの」ってのが、
いくつかあるんですよ。
例えばそれは「良いマナー」とか「相手に喜ばれること」とか
「未来のこと」だったりするんですけれど。

で、そういうものについて、
けっこーー今の今まで放っといていた感じがするんですね。
ほぼ放置。そこについてスキルを上げる気がさらさらなかった。

で、人生っていうテストはそれでも一応合格点には達していて、
なんかそれなりに人生楽しくは過ごせちゃっているんです。
太鼓とか楽しいし。割と1人の時間も大丈夫ですし。
特に未来のことを考えなくても、
現在を充実させる術はそれなりに知っているし。

なので、会社に入ってみてからほぼ初めて、
そういうスキルが低いことで困っている感じですね。
社会人になってみると、あ、この能力って放置してちゃいけないんだ、
っていうことが、ようやくわかります。

それはあたかも、
「えー?そんなの試験範囲に出るなんて知らなかったよ」
と言う子どものごとしです。

ーーーーーーーーーーーー

で、この考え方ってなんで身についてるんだろう、と考えると、
たぶんにヴィトゲンシュタイン的だよなあと思うわけであります。

「語りえぬものについては沈黙しなければならない」
という超カッコいい中2的ワードがありますが、
あれなんですよ。

考えても考えてもわからん!
よっしゃ!
沈黙しよう!

というのと、

この問題わからん!
よっしゃ!
後回しにしよう!

というのは、どこか似ているんですよね。

でも、おんなじじゃねえよなあ、という点があって、
それは、あくまで彼は「沈黙する」としか言ってないところです。

沈黙はするけど、やる。
それについてあれこれ論じないけど、実行する。
というのもできるんじゃないか、
その意味では単なる放置とは違うんじゃないか。

しかも、ヴィトゲンシュタインは死ぬほど考えた末に、
「いや!でもわからんし!論じないし!」
という結論を出したわけです。

俺はそこまで真剣に考えたことがあるのか?
というと、どうも真剣には考えてないよなあ、
少なくとも論理哲学論考みたいなぶっ飛び本を書いちゃう程度には
考えていないよなあ、と思うわけであります。

考えないと動けないタイプの割には、
考えるのを面倒くさがる傾向があるんですが、
ちゃんと考えた方がいいよなあ。
考えるのって、多くても2時間もあればできる作業だぜ?
その2時間を省略したがために、
人生80年ぐらいを損するのはあんまりにももったいないだろう。

もちろん、考えたらすべて解決なんてわけにはいかなくて、
実行の段階でさまざまな挫折はあるかと思いますが、
考えてやってりゃ、何かしら見えてくるものは違いますよ。
そりゃ。
ひとつひとつの経験が蓄積になっていきやすい。

もちろん僕らには沈黙しかできない話題もあると思うんですが、
沈黙という行為は、ヴィトゲンシュタインばりにぶっ飛んだあとで、
初めてやっていい行為だと思うんです。

そうでなきゃ、単純に
「いや、考えるのが面倒くさいんです」と認めなきゃいけない。

面倒くさいことを考えよう。

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