目標設定型と漸進型

会社員をやっていて、それを大学時代の生活と比較して思うのは、
世の中には「漸進的プロジェクト」と「目標設定型プロジェクト」があるなあということです。

たぶん、どちらがいいってわけでもないんですけど、
とりあえず弊社にいると後者を強制されます。
目標なしに日々を過ごすことは批判の対象だし、
目標を達成しないこともかなり批判の対象です。

おそらく多くの会社っていうのは、
目標を設定して(あるいはさせて)、それに向かってがんばれ、というスタンスなのではないかと思います。

ってのも、目標設定型プロジェクトは、成功と失敗がくっきり分かれるからです。
評価のときにすごくやりやすい。
あなたはこれだけ達成しましたね、とか、この部分が達成できませんでしたね、
とか言いやすい。数値化できるものだと特にね。

漸進的プロジェクト、ってのはどういうものかというと、
「目標とか期限とか予算とか決めないけど、とにかくこの方向に向かってがんばろう」
というタイプのプロジェクトです。

書いてみて改めて思うが、これは会社でやったら怒られるな。
大学とか私生活だったらありえるタイプのプロジェクトです。

というか、そもそもプロジェクトと言っていいレベルなのかどうか微妙ですが、
そういうタイプの物事の進め方というのがあります。
たとえばこのブログだって、別に1ヶ月に何回更新とか決めてませんしね。
「とくにゴールはないんだけど、(少なくとも俺にとって)おもしろい文章を書いていこう」というのが
このブログなわけです。

で、会社にいると、望むと望まざると、会社の考え方に染まっていきますので、
「目標設定型プロジェクトはすばらしい、漸進型プロジェクトはクソだ」みたいに
思い込もうとしていた時期がありました。

けど、1年経った今でも、「いや?目標設定型プロジェクトにも落とし穴はあるよな?
なんか目標設定型プロジェクトって好きになれないんだよなあ?」という思いがありまして。

それぞれ何がよくて、何が悪いのか、を、ここで改めて書き出してみたいと思います。

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「目標設定型プロジェクト」

・目標設定型プロジェクトは、逆説的に、目標を超えることができない。

・目標設定型プロジェクトは、目標設定そのものが目標だ。

・目標設定型プロジェクトは、成功と失敗がはっきり分かれる。

・目標設定型プロジェクトは、ごまかしがきく。

・目標設定型プロジェクトは、しんどい。

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「漸進型プロジェクト」

・漸進型プロジェクトは、言い逃れがしやすい。

・漸進型プロジェクトは、無理をしない。

・漸進型プロジェクトは、時たま本質にたどり着くことができる。

・漸進型プロジェクトは、予想しなかったものに出会える。

・漸進型プロジェクトは、ほとんどが頓挫する。

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こんなとこじゃないかと。それぞれとりあえず5つ、挙げてみました。

それぞれ解説してみます。

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「目標設定型プロジェクト」

・目標設定型プロジェクトは、逆説的に、目標を超えることができない。

目標設定型プロジェクトってのは、目標を設定し、それを達成すれば万歳なわけですよ。
いや、もちろん例えば営業成績が達成率120%です、ばんざーい、みたいなことはあるんだけど、
なんかこう、目標設定した指標以外のものは出てこないんだよね。
目標設定した瞬間に、「価値基準」がそこになってしまう。
たとえばウェブサイトのPVが目標数値だったとしたら、
「PVが多いことはいいことだ」っていう価値基準が設定されてしまうわけよ。
その点において、目標を超えるものは出てこないと思います。

・目標設定型プロジェクトは、目標設定そのものが目標だ。

多くの企業で目標設定が推奨されている理由もまさにここにあって、
目標設定したら人事管理がやりやすいんですよ。
あと、目標設定をさせる・することで、当人たちも何かをしている気分になりやすいし。
目標設定そのものが目標なんじゃねえの、馬鹿野郎、というのは、僕はときどき思います。

・目標設定型プロジェクトは、成功と失敗がはっきり分かれる。

これはいいとこでもあり、悪いとこでもあります。いや、いいとこかな?
漸進型プロジェクトだと、望む結果が得られなくても、
「まあ、しかたなかったさ」という感じで終われるんですが、
目標があると、如実に結果を突きつけられる。

・目標設定型プロジェクトは、ごまかしがきく。

結局、漸進型にせよ、目標設定型にせよ、ごまかしはきいちゃうんです。
たとえば、目標設定型のとき、あえて低めの目標を言うとかね。
本当はもっと売り上げ上げられるけど、まあそこそこに抑えておくとか。
そんなことはフォード自動車の時代からやってることですよ。
目標設定したら、みんなそれ以上はがんばらない。

・目標設定型プロジェクトは、しんどい。

とはいえしんどいのが目標設定型プロジェクト。
とりわけ上司から目標を言われているときに、
「なんでやってないの」「なんでやってないの」と言われると、
まあこれは精神的につらいものがあります。
ちなみにこういうときの「なんで」っていう言葉は、
別に理由を聞いてるわけじゃなくて、単に合法的に怒りたいからそういう修飾語をつけてるだけ。

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「漸進型プロジェクト」

・漸進型プロジェクトは、言い逃れがしやすい。

さっき書いたことと裏返しになりますが、
漸進型でものごとを進めていくと、目標がないから、
成功か失敗かはっきりしないんです。
「これでよかったのだ」と言おうと思ったらいくらでも言える。

・漸進型プロジェクトは、無理をしない。

これはいいとこだと思う。無理はよくないよ。
無理を克服しようとしてたまに超クリエイティブなアイディアが出ることも
あるかもしれませんが、そんなことは狙うな。いや、狙ってもいいのか。どっちなんだろ。
健康でいたいなら、圧倒的に目標を設定しない方がオススメです。

・漸進型プロジェクトは、時たま本質にたどり着くことができる。

漸進型プロジェクトは、目標というものから自由です。
いろいろやってみた結果、このプロジェクトを中止することがベストだと考えました、
という結論が出たっていい。
目の前のことを追わず、その先のものも見据えることができる。

・漸進型プロジェクトは、予想しなかったものに出会える。

なんていうのかな、これは僕がなかば盲目的に信じていることでもあるんですが、
目標を決めたらその人の人生の枠は決まってしまうと思っています。
もっと平たく言えば、生物として死ぬと思っています。

それは例えば、「今日はどうしても歯医者と西友とひらパーに行かなくてはいけないので
寄り道なんかしている余裕はないんじゃボケ」という生活態度だと、
決してその人は寄り道をすることもないだろうし、
ひいてはたまたま入ったレコードショップで素晴らしい音楽に出会うこともないだろうね。

・漸進型プロジェクトは、ほとんどが頓挫する。

これも悲しい点ではあるのだけど、まあほとんどうまくいかないと思います。
僕がこのままダラダラブログを書いていても、これがまさかChikirinの日記みたいに
大ブレイクすることは万が一にもないだろうし(いや、あるのか・・・?あると信じたい)、
君素晴らしいね!うちに来ないか!と編集に誘われることもないかとは思います。
どうしてもそういうのになりたいなら、それ相応の行動はいるんじゃないかな。

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ここまでいろいろ考えてみましたが、
僕の結論としましては、
「動き続けることができて、やりたいことが実現できて、
 かつ偶然性も取り込めるんだったら結局どっちでもいいんじゃないか?」
です。

だが、そんなことはほぼ不可能なんじゃないか?
とも思ったり。

いや、でもどっちのプロジェクトでも、
まずは「その実現に向かって毎日何かしらする」ということでしょう。
僕は最低限、それができればどっちでもいいのかな、と思いました。

目標設定って、思いのほかストレスフルなもので(そう感じない人もいるのかもだけど)、
そのストレスに負けちゃって何もできないのも馬鹿だし、
漸進型でゆるゆると何もしないのもやっぱり馬鹿なのかなあと思ったり。

やりたいと言いながら何もやらないのが何よりまずいので、
まあなんか動きましょうよ、動く際には別に目標を決めても決めなくてもどっちでもいいよ、
ということでした。
しかし僕はどうも目標設定型は合わなさそうです、やっぱり。

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