負ける方に賭ける人

文章を最近あまり書きたいと思わなくなっていて、
それはまあ何事も深く考えたくないからなんだけども。

なんというか、深く考えることってカッコ悪いことなんじゃね?
という反知性主義みたいなものが確実に僕の中にも根付いていて、
よくないなあと思うのだけど、その「よくないなあ」という感情は借り物なので、
実のところあまり説得力がない。深く考えることは果たしていいことなのか。

アメリカの反知性主義
アメリカの反知性主義

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「反知性主義」で調べたらこんな本が出てきたので読んでみようと思うが、
僕の場合の反知性主義の根拠はちょっと考えればすぐわかった。
僕は働いたことで反知性主義になったのである。

僕はいわゆる高学歴とよばれる大学を出ていて、
その後働いてみたところ、そこで学んだことがほとんど役に立たないことがわかった。
おそらくほとんどの人も同じ感想を持つと思う。大学で学んだことは役に立たない。

というか、小学校から高校まで、みんなほとんど同じことを言われてきた。
学校の勉強は役に立たない。ホリエモンだってそう言ってる。
けど僕らは勉強しなければならない。なぜかって?
なぜかなんて考えなくていい、勉強しなさい。

もちろん明確な意図をもって勉強してきた人もいるだろうけど、
僕はそのグループに属さない。
ゲームをやっていたら勝手にうまくなるように、
なんか勉強が面白かったのでやっていたらなんかいい大学に入れたという感じである。
たとえばウイニングイレブンが入学試験に使われる大学を考えてみたらいい。
そんな感じである。

まあ、だから、もともと勉強とはなんぞや、ということを
そこまで深く考えているわけではないのだけど(考えたことはある。けど世の中にはもっと深い人がいる)
会社という組織では、そういうことはもう本当にどうでもよくて、
ああ、なんだ、勉強って役に立たないものなんだ、と思ってしまった。

そこからなにか僕は、「大学的なるもの」を軽蔑するような生活態度を身につけたように思う。
何かを深く考えることもそれに含まれた。
深く考えたからって何が分かるというんだ、すべては実行あるのみだろう。
そんなコスパの悪いことに頭を使っている奴はアホだね、ぶっちゃけ。

当たり前だけど、仕事にも深く考えることは求められる。
ある人がいうには仕事の80%はルーティンワークらしいから、
確かに頭をまるで使わなくてもほとんどの仕事はできてしまうのだけどね。
「私はなんのためにこの仕事をやるのか?」なんてことを考えなくても、
仕事は滞りなく進んでいけるし、給料はもらえるし、休日ももらえる(もらえないとこもあるけど)。

僕は何を深く考えたくなかったのだろう。
というと、たぶん「自分のやりたいこと」だろう。

前にも似たようなことを書いたけど、
「自分のやりたいこと」を考えてしまうのはとても怖いことでもある。
「自分のやりたいこと」を決めてしまったならば、
それが実現できたか、実現できなかったか、成否がはっきりしてしまう。
それに成功すれば嬉しいだろうが、失敗したときに失うものも多い。

ホンダのCMのコピーを借りれば、「たいてい、夢はかなわない。」
だとすれば、やりたいことに賭けるのは、なんてリスキーなことだろう。
それよりは、向こうからやってきたもの、自分の意志とは関係ないものに流されて、
それをいかに楽しめるか、いかに正当化できるか、にエネルギーを注いだ方がいいんじゃないか。
内田樹がそんなようなことを言っていた。
人の幸せは、どれだけ向こうから来たものを「やりたいこと」だったと思えるかで決まる、みたいな。

けど、だとすると俺は、俺の人生を「やりたいことが叶わないほう」に賭けていて、
「向こうからやってきた現実」を「いかに正当化するか」ということにばかりエネルギーを注いでいるのか?
それってなんだか寂しいことではないか?少なくとも20代の若者にしては?

僕はたぶん就活のリバウンドとして、
「やりたいことの実現に向かって一生懸命やるのがベストな人生だマインド」への反発がすごくある。
やりたいことを説いたからといって企業に入れるわけでもないし。
ただ、その反発がいきすぎて、「やりたいことをやろうとするのはよいことだ」という考えにまでも
反発してしまっているような気がする。
「向こうから自分の意思と関係なく来たものをうまく受け入れる技術」に
フォーカスしすぎている。もちろんこれも必要な技術なのだが。
人生はランダムネスに身を任せた方が割と楽しいと思っているし、
それはちょっともう自分の人生観の一部になっているので、強固な考えなんだけど。

僕は1年前、あるいはもっと前から、
「おそれずに考えよう」みたいなことをちょっとずつ書いていた気がするのだけど、
それは何よりも自分自身への説得だったのだなあと今思う。

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